工学研究科
科学技術が21世紀のグローバルな社会と共存できる進歩を期待されるなか,幅広い視野と高度な専門知識を備えた人材のニーズが高まっています。本大学院工学研究科では,「システム工学専攻」,「電子工学専攻」,「応用化学専攻」の3専攻において,各専攻分野で非常に優れた研究業績を持つ教員が多数在籍。最先端の教育研究を行う中で,即戦力となり,人格的にも優れた科学技術者・研究者を育成しています。本大学院生は,教員らの研究プロジェクトをはじめ,実践的なテーマで独自の研究に取り組み,実力をつけています。

システム工学専攻
環境に配慮しつつ,豊かな生活に貢献できる技術開発が課題とされています。本専攻では,高効率エネルギー変換,知的複合材料開発など,工学的見地から人間支援技術の発展に貢献できる技術者や研究者の育成を目ざしています。
熱力学,燃焼学,液体力学,応用力学,シミュレーション工学,スポーツ工学,電子工学,情報工学など,最先端の領域で実績を上げている多数の研究者を教員に揃えています。燃料電池自動車のような環境に配慮した自動車づくりなど,エネルギー変換をはじめとするエネルギー関連システムの高効率化,小規模システムから地球規模にいたる技術と環境調和に関するシミュレーション技術,健康管理に利用されるスポーツ用具の性能評価システムなど,幅広いテーマのもと,環境や人間にやさしい技術の構築を目的に研究活動を行っています。
電子工学専攻
現代社会の産業には,電子工学の理論や技術は必要不可欠です。本専攻では素材開発の基礎となる量子物性,先端材料の創成,電子工学の中核を成す電子・情報工学の3分野において,活躍できる優れた技術者・研究者の育成を目ざします。
本専攻では,「量子物性」,「先端材料」,「電子・情報工学」の3教育分野を設置しています。素材開発の基礎となる「量子物性」では,素粒子・原子の世界をひもとく量子力学,統計物理学,凝縮物資を解明する固体量子論や結晶学など,物質の性質を基礎から解き明かす理論の習得を目ざします。「先端材料」では,新物質の創成,機能設計や物質設計,新材料の評価,ナノ材料の開発など,凝縮物質の基礎現象から応用までの広範囲な学問的理解を得ることを目的としています。「電子・情報工学」では,電子・情報工学の基礎技術からその応用に至る幅広い教育研究を行っています。
応用化学専攻
科学技術の進歩により,応用化学の役割は非常に大きくなりました。本専攻では,環境化学,生命化学,材料化学の3分野を設け,環境問題,バイオテクノロジー,新素材開発などで,将来の科学技術を支える優れた技術者,研究者を育成します。
本専攻では,「環境化学分野」,「生命化学分野」,「材料化学分野」の3分野を軸に,広範囲な研究を通じて即戦力として活躍できる人材の育成に取り組んでいます。「環境化学分野」は,環境問題に応えるために,電気化学,プラズマ化学,表面化学,触媒化学,無機化学を基盤とした研究を行っています。「生命化学分野」は,医療の分野で注目を集めるバイオテクノロジーの発展に寄与できる生命化学を中心とした教育研究を行っています。「材料化学分野」は,有機化学,高分子化学を基礎に,新規合成法,触媒開発など,社会の求める新素材の開発に力を入れています。
生体の持つ自己治癒力を取り入れた形状記憶TiNi繊維強化複合材料の開発
生体の持つ自己治癒力を取り入れた,例えば損傷部位の修復や変形制御,振動制御など自然災害などによる材料や構造部材の損傷を未然に防止できる知的複合材料の研究・開発と,形状記憶TiNiワイヤの収縮効果を利用した橋梁モデルによる制振機構(特許公開中)や損傷の回復に関する基礎研究を行っています。
超機能バイオ情報センシングシステムの開発
文部科学省による私立大学学術研究高度化推進事業で研究プロジェクトに認定されたテーマ。"酵素の電気化学的な反応"という新しい環境浄化のためのバイオ的な反応を見出したことにより,尿素から出るアンモニアを無害の窒素ガスに直接変換することが可能になりました。現在,実用化に向けた取り組みが行われています。
新しい免疫反応による抗原・抗体の検査法の確立
抗原・抗体反応を用いた測定法はすでに行われていますが,これをより精度の高いものにするための研究が続けられています。臨床検査など,医学の分野での応用に向けて,特許申請も行っています。
ポリマー合成の開発
タンパクを生きたまま瞬時に固定するポリマーの合成に,埼玉工大が初めて成功。例えば,PMS(ポリマレイミドスチレン)コーティングタイプバイオセンサーは,繰り返し使える,センサーの材料として利用できる優れたものです。特許出願しており,実用化されたものもあります。
消毒用洗浄水の有効塩素濃度測定器の開発
野菜のカット工場や食肉工場などで使われている消毒用洗浄水の有効塩素濃度管理に活躍している「ジアチェッカー」という測定器も埼玉工大の大学院研究室で開発し,商品化されたものです。試料を1滴垂らすだけで,短時間に塩素濃度の測定ができるという操作性にも優れた製品として注目されています。
燃料電池の水素エネルギーを効率よく取り出すための触媒の発見
未来の乗り物として期待される電気自動車を動かす燃料電池は,水素と酸素の反応により作られますが,水素ガスを天然ガスから取り出す際に混入する有害な一酸化炭素の除去が課題でした。本学ハイテク・リサーチ・センターのプロジェクトでは,一酸化炭素を選択的に取り除き分解する触媒の発見に成功しています。


