工学研究科
科学技術が21世紀のグローバルな社会と共存できる進歩を期待されるなか,幅広い視野と高度な専門知識を備えた人材のニーズが高まっています。本大学院工学研究科は,「システム工学専攻」,「電子工学専攻」,「応用化学専攻」の3専攻の各専攻分野において非常に優れた研究業績を持つ教員が多数在籍。最先端の教育研究活動を行う中で,即戦力となり,人格的にも優れた科学技術者・研究者を育成しています。
文部科学省の高度学術研究推進事業のひとつである「ハイテク・リサーチ・センタープロジェクト」が無事終了し,新たに「オープン・リサーチ・センター」の拠点校にも選定され,高い外部評価を受けています。これら2本のプロジェクトを柱に,社会に貢献できる様々な研究活動を行っています。本大学院生は,これらのプロジェクトをはじめ,より実践的なテーマでの独自研究に取り組んでいます。また,学部教育の支援,社会人の受け入れ,企業との連携,国際交流の推進など多岐に渡る活動を積極的に行っています。
- 知的複合材料の開発
- 生体の持つ自己治癒力を取り入れた知的複合材料の研究・開発と,形状記憶TiNiワイヤの収縮効果を利用した橋梁モデルによる制振機構(特許公開中)や損傷の回復に関する基礎研究を行っています。
- 超機能バイオ情報センシングシステムの開発
- 「酵素の電気化学的な反応」という環境浄化のためのバイオ的な反応を見出し,尿素から出るアンモニアを無害の窒素ガスに直接変換することが可能にしました。この新しい機能を実用化に向けた取り組みが行われています。
- 免疫反応による抗原・抗体の検査法を確立
- 抗原・抗体反応を用いた測定法はすでに行われていますが,従来の測定法よりも精度の高いものにするための研究が続けられています。臨床検査など,医学の分野での応用に向けて,特許申請も行っています。
- ポリマー合成の開発
- タンパクを生きたまま瞬時に固定するポリマーの合成に,埼玉工大が初めて成功。バイオセンサーPMSコーティングタイプは,繰り返し使え,センサーの材料として利用できます。特許を出願し,実用化されたものもあります。
- 消毒用正常水の有効塩素濃度測定器の開発
- 生鮮食品加工工場などで,消毒用洗浄水の有効塩素濃度管理に利用されている「ジアチェッカー」という測定器は,本学大学院の研究室で開発,商品化されました。短時間に塩素濃度の測定できる優れた製品です。
- 高効率にエネルギーを取り出す触媒の開発
- 水素と酸素から作られている燃料電池は,天然ガスから水素ガス取り出す際に混入する有害な一酸化炭素の除去が課題でした。本学では,一酸化炭素を選択的に取り除き分解する触媒を発見することに成功しました。
本専攻では,環境との調和に配慮しながら,高効率エネルギー変換や,知的複合材料の開発など,工学的見地から人間支援技術の発展に貢献できる技術者や研究者の育成を目ざしています。
熱力学,燃焼学,液体力学,応用力学,シミュレーション工学,スポーツ工学,電子工学,情報工学など,最先端の領域で実績を上げている多数の研究者を教員に揃え,エネルギー変換をはじめとするエネルギー関連システムの高効率化,小規模システムから地球規模にいたる技術と環境調和に関するシミュレーション技術,健康管理に利用されるスポーツ用具の性能評価システムなど,幅広いテーマのもと,環境や人間にやさしい技術の構築を目的に研究活動を行っています。今後解決するべき技術的な課題として,燃料電池自動車のような環境に配慮した自動車づくり,バーチャルリアリティを利用した航空機の操縦シミュレーション,遠隔医療や遠隔授業に代表されるネットワークシステムを利用した遠隔情報システムの構築,機能材料の実用化に向けた研究などが考えられます。このようにうに本専攻であるシステム工学の研究分野は,ますます重要かつ多様化しています。
素材開発の基礎となる量子物性,それに立脚した先端材料の創成,電子工学の中核を成す電子・情報工学の3分野において,時代のニーズに応え得る優れた技術者・研究者の育成を目ざします。
本専攻では,「量子物性」,「先端材料」,「電子・情報工学」の3教育分野を設置しています。素材開発の基礎となる「量子物性」では,素粒子・原子の世界をひもとく量子力学,統計物理学,凝縮物資を解明する固体量子論や結晶学など,物質の性質を基礎から解き明かす理論の習得を目ざします。「先端材料」では,イオンを主体とする粒子線を用いる新物質の創成,粒子線と物質の相互作用の解明,新規電子素子開発に結びつく機能設計や物質設計,創成された新材料の評価,ナノ材料の開発など,凝縮物質の基礎現象から応用に至るまでの広範囲な学問的理解を得ることを目的としています。「電子・情報工学」では,アナログ・デジタル・デバイスの開発,有線・無線通信システム,加速器から得られる放射光の活用,電子システムを構築・解析するための信号処理など,電子・情報工学の基礎技術から,その応用に至る幅広い教育研究を行っています。
環境化学,生命化学,材料化学の3分野を設け,環境問題,バイオテクノロジー,新素材開発などにおいて,将来の科学技術を支える優れた技術者,研究者を育成することを目指しています。
本専攻では,環境浄化や省エネルギープロセスの開発などを中心とした「環境化学分野」,生命化学に関する研究を行う「生命化学分野」,現代社会が求める新素材を開発する「材料化学分野」の3分野を軸に,広範囲な研究を通じて,即戦力として活躍が期待できる人材の育成に取り組んでいます。「環境化学分野」は,環境問題に応えるために,電気化学,プラズマ化学,表面化学,触媒化学,無機化学を基盤とした研究を行っています。「生命化学分野」は,医療の分野で注目を集めるバイオテクノロジーの発展に寄与するため,生命化学のみならず,計測化学,生理化学,生理学,バイオエレクトロニクス,生物有機化学を基礎として,バイオセンサ,生態情報の伝達,遺伝子発現の制御など,生命化学を中心とした教育研究を行っています。「材料化学分野」は,有機化学,高分子化学を基礎として,新規高分子材料の開発や新素材を合成するための新規合成法,触媒の開発など,現代社会が求める新素材の開発に力を入れています。

