埼玉工業大学工学部

生命環境化学科(旧・応用化学科)

環境浄化研究室


 准教授・有谷博文


1.環境浄化・エネルギー低負荷のための触媒開発
 現代までの目覚ましい化学工業の発展は、材料やエネルギーなどを通じ私たちに様々な恩恵を与えました。この発展を支えたものは、化学反応を促進し制御する「触媒」であると言っても過言ではありません。これまで幾多の触媒が開発され、これらは確実に我々の生活を豊かにする支えとして役立ってきたのです。しかし、近年までの化学工業の発展は、同時に環境汚染や大量エネルギー消費など負の側面も残しました。既に現在は、世界的な規模でこの解決を図ることが急務となっているのです。化学が生んだ負の財産は、これも化学を通じて解決させなければなりません。そこで、化学の発達を促進した触媒技術を、今度は環境の浄化や低エネルギー化技術の開発など、これまで重視されなかった分野に応用したいと考えています。

Catalysis

2.特異な機能を有する新規無機材料の開発
 一口に「無機材料」と言ってもその中身は金属やセラミックスをはじめ多岐に渡りますが、機能性無機材料の場合、見かけは何ら機能性を示さない物質でも、意外なところに特異な機能や特性を示すものです。例えばアパタイト材料はその特性から最近様々な生活用品に添加され、また粘土状白色粉末のタルサイト材料はその穏やかな表面塩基性から医薬品に使われています。洗濯用洗剤の無リン化を成功させたのも、ミクロ孔を有するゼオライトの添加によるものです。これらの例の他にも、種々の無機材料が生活の中でも多方面に役立てられているのです。一方で、近年とくに世界的な興味を引いている無機材料に、ナノ多孔体と有機無機複合材料があります。これらはいずれも、既存にない特有の表面機能や特性が指摘されており、様々な分野での応用が期待されるものです。これら新規材料の合成を導入した新規機能材料の創製に取り組んでいます。

3.固体表面特性や機能を与える構造的因子の解明
 例えば固体表面で珍しい機能が発現した場合、それは含まれる成分のみならずその物性や構造、とくにミクロ構造がその材料の機能や特性を敏感に反映するのです。しかも原子・分子レベルでの局所構造がその中の非常に大きな役割を占めています。もし、ユニークな機能を発現させるための構造やその条件がつきとめられたとき、それは次の開発手段、すなわち高活性化や機能制御に直接役立てることが出来ます。そこで、機能性材料を生み出す構造の解明を、様々な分光法を用いて検討します。とくに、原子間結合距離や配位数などを評価できるX線吸収端微細構造解析(XAFS)を多方面に応用して構造評価に応用しています。

 <現在進行中の研究テーマ>

(1) 遷移金属格子置換型メタロシリケートを基とした新規NOx分解触媒材料の開発

(2) 天然ガス有効利用のためのメタン酸化カップリング(OCM)触媒の高機能化

(3) 天然ガス石油資源化のためのメタン脱水素芳香族化触媒の高機能化

(4) 二酸化炭素有効利用のための選択還元プロセスの開発

(5) 生活条件下でのVOC (揮発性有機物質)除去のための酸化チタン系光触媒の開発

 

NOx_Line GTL_Line OCM_Line

(実験室風景:左から、NOx分解用ライン、GTL反応用ライン、OCM反応用ライン)

2018.8  研究室改修後の実験室移転(1号館136室から133室へ移転)完了しました。

現在、1号館133・137・138室が実験室稼働中(有谷は134室)です。


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