埼玉工業大学 工学部 生命環境化学科

教授  秦田 勇二


微生物を研究する意義



微生物とは肉眼で見ることのできない微小な生物のこと。
微生物は地球上の物質循環 [例えば、炭素(C)、窒素(N)、硫黄(S)、リン(P)などの循環] を支えている影の立役者である。

地球上にはおよそ300万種類の微生物が存在すると推定されている。しかしこれまでにその正体が明らかになったものは僅か1%であり、残り99%はその能力を評価されていない未研究の微生物である。これらの微生物たちの中に、人々の暮らしをより豊かにするための”有用な微生物”が数多く眠っている。

微生物は古くから醗酵食品(お酒、ヨーグルト、納豆など)をつくるためなどに利用され、大村博士のノーベル賞にもみられるように抗生物質などの薬も微生物から多く発見されている。さらに今後は、化石燃料(原油など)に代替する新エネルギーの開発分野にも微生物の能力が大きく期待されている!

研究室メンバー(2018年8月撮影)学部4年生9名、大学院生2名
「素晴らしい微生物たちの能力を社会に役立てます!」


秦田研究室の学生さん研究テーマ

新しい抗生物質(創薬リード化合物)の探索(微生物から)

新たな乳酸菌の探索(機能性ヨーグルトの開発に向けて)

機能性食品素材を生産する微生物の探索

環境汚染物質を分解してくれる微生物を開発

企業との共同研究など


秦田研究室の研究成果の紹介


☆海洋性細菌の酵素で木材成分のリグニンから機能性化学品を作る!
ドイツの科学誌「ChemSusChem」電子版に論文が掲載されました。
タイトル:Enzyme specific production and chemical functionalization of 
phenylpropanone platform monomers from lignin. ←論文サイトにリンク

研究内容;
発見した微生物の酵素を用いて、天然リグニンを原料として、フェニルプ
ロパンモノマー(プラスティック、医薬品などの原料)を選択的に得る方法
を開発しました。


リグニンは植物の主要成分の一つで、稲わらなど農業廃棄物に多く含ま
れる物質です。従ってこの技術は産業廃棄物から有用な工業材料を獲得
することのできる画期で、しかも環境に優しい新技術なのです!!。



秦田研究室の卒業生からのメッセージ


長岡 恭一郎 君(2018年3月卒業 → 筑波大学大学院進学)

   私がこの微生物応用研究室に入ったきっかけは大学3年生の時に受けた秦田先生の授業「微生物ウイルス学」です。微生物が持っている様々な性質や微生物の産業利用に関して学んだことにより、微生物について強い興味と関心を持つようになり、この研究室に入りました。研究室では勉学や研究だけでなく、人との付き合い方など社会人にとって必要な事も学ぶことができました。現在私は筑波大学の大学院で引き続き微生物の研究を行っています。埼玉工業大の微生物応用研究室で学んだことを活かして、新たな環境でも日々頑張っています。



茂原 和博 君(2018年3月卒業 → 行田市立長野中学校 理科教師)

   私は秦田研究室を卒業し、 現在中学校で理科の先生をしていいます。
もともと、卒業後は教師になると決めていたため、 研究室での研究内容は、 いつか生徒に話せる身近なものがいいと思い、「 ぬか漬け内の乳酸菌」について研究しました。秦田先生は「 面白い、やってみよう」とおっしゃり、たくさんの研究アドバイスを頂きました。おかげで私は今、 生徒に胸を張って大学時代の研究の話をしています。教師を志す高校生の皆さん。 4年間の大学生活で色々な事にチャレンジし、 たくさんの経験を積んでください。 その経験がいつか教師としての大きな武器になるはずです。