研究活動

研究内容

概要

宇宙観測は「夜空を見上げる」という人類共通の振る舞いから始まりました。可視光による天体の観測から始まり、様々な波長の電磁波(赤外線・紫外線・X線・ガンマ線、電波)や宇宙線(宇宙から飛来する粒子)の観測で様々な情報を得るようになりました。そして2016年には重力波の直接観測に成功しています。日本では1987年に超新星から飛来したニュートリノ(素粒子)を観測した功績で小柴氏が2002年のノーベル賞を受賞しています。さらに2015年には梶田氏がニュートリノ振動の観測によってノーベル賞を受賞しています。

ニュートリノ振動という現象はニュートリノの質量差によって引き起こされますが、それを予想したのは素粒子の標準模型には無い「ニュートリノの質量」に着目した坂田昌一・牧二郎・中川昌美による1962年の論文です。この分野での日本人の寄与の大きさがよく分かります。

この研究室では、宇宙論と素粒子論の複合分野でさまざまな研究をおこなっています。宇宙のインフレーション、物質生成などを素粒子の模型に照らし合わせながら解き明かしていきます。場の理論の基礎的な分野として物性理論の研究もおこなっています。また、最近の傾向として異分野間での「思いもよらない」連携が着目されることもあります。分野にとらわれずに様々な場面で物理現象を解き明かしていくことがこの研究室の研究テーマです。

インフレーションモデル

Planckデータ

 宇宙の黒体輻射(温度)を全天でスキャンすると、あらゆる方向で温度が「ほぼ」均一であることが分かります。温度には非常に微小な温度差があって、それを色分けすると上の写真のように「しわ」に見えます。宇宙のインフレーションモデルでは、宇宙創世がインフレーションで始まると考えて、この「均一さ」と「微妙な温度差」の両方を解決しようとしています。指紋が一人一人違うように素粒子のモデルやインフレーションモデルによってこのしわの特徴が異なるため、宇宙の温度揺らぎや密度ゆらぎを細かく調べていくことで宇宙の最初に何が有ったのかを伺い知ることが出来るというわけです。
 また、「しわ」の元になる揺らぎは量子揺らぎであると考えられています。量子効果は一般に小さなスケールで重要になるのですが、インフレーションは空間を極端に引き延ばすため、空を見上げて小さいスケールの物理を観測することになります。


研究論文

目標イメージ

この分野の論文は、全てプレプリントサーバーに置かれていて誰でも自由に閲覧することが出来ます。以下のサイトではキーワードや人名、発表時期、引用論文など様々な方法で検索することが出来ます。

試しに、find ea matsuda, tomohiro と入力すると、以下のように個人の著作を検索してリストアップすることが出来ます。同様にGoogle Scholarからも検索できます(←リンクあり)

 


この分野の主な研究会議・学会等のホームページ(*試験運用中)

日時 内容 場所
3月19日~ 第71回年次大会(2016年) 東北学院大学(泉キャンパス)
7月初旬 International Conference on Supersymmetry and Unification of Fundamental Interactions (SUSY) メルボルン
8月中旬 International conference on cosmology(COSMO) ミシガン